ページの先頭へ

最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

膵がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-06-30
    翻訳更新日 : 2017-02-17

 このPDQがん情報要約では、膵がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

膵がんについての一般的な情報

膵がんは、膵臓の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

膵臓は全長約15cm(約6インチ)ので、細長い洋ナシを横にしたような形をしています。幅の広い方の端は膵頭部、中央部は膵体部、幅の狭い方の端は膵尾部と呼ばれます。膵臓は脊椎の間に位置しています。

膵臓の解剖図:図は、膵臓、胃、脾臓、肝臓、胆嚢、胆管、結腸、小腸を示す。小さな図は膵臓の頭部、体部、尾部を示している。胆管と膵管も示されている。



膵臓の解剖図。膵臓は頭部、体部、尾部の3つの部分からなります。膵臓は腹部の胃、小腸、その他の臓器の近くにあります。



膵臓は主に次の2つの役割を果たしています:


消化液は膵臓外分泌細胞によって作られ、ホルモンは膵臓内分泌細胞によって作られます。膵がんの約95%は外分泌細胞から発生したものです。

本要約は、外分泌細胞由来の膵がんについて書かれたものです。内分泌細胞由来の膵がんに関する情報については、PDQ膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)の治療に関する要約をご覧ください。

小児の膵がんに関する情報については、PDQの小児にはまれながんの治療に関する要約をご覧ください。

膵がんのリスクに影響を及ぼしうる因子に喫煙と既往歴があります。

疾患が発生する危険性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

膵がんのリスク因子には以下のものがあります:


膵がんの徴候と症状には、黄疸、痛み、体重減少などがあります。

膵がんでは、早期の徴候症状がみられないことがあります。徴候や症状が現れたとしても、膵がんが原因の場合もあれば、別の病態が原因である可能性もあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:


  • 黄疸(皮膚や白眼が黄色くなる症状)。

  • 淡い色の便

  • 濃い色の尿

  • 上腹部または中腹部の痛み、背中の痛み。

  • 原因不明の体重減少。

  • 食欲の減退。

  • ひどい疲労感。

膵がんは早期に発見し診断するのが困難な病気です。

膵がんの発見と診断が困難であるのは以下の理由によります:


  • の膵がんには目立った徴候や症状が認められないため。

  • 膵がんの徴候や症状が認められても、それが他の多くの病気の徴候や症状と似通っているため。

  • 膵臓が、胃や小腸肝臓胆嚢脾臓胆管などの他の臓器の後方に隠れているため。

膵がんの発見、診断および病期分類には、膵臓を調べる検査法が用いられます。

膵がんの診断には、膵臓とその周囲の画像を撮影する検査法が用いられるのが通常です。がん 細胞の膵臓内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。膵がんでは、発見、診断および病期分類のための検査や手技を一度に実施するのが通常です。治療計画を立てるためには、膵がんの病期と手術での切除の可能性を把握しておくことが重要です。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 血液生化学検査 :採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質(ビリルビンなど)の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。

  • 腫瘍マーカー試験 :採取した血液や尿、組織を調べて、臓器や組織、腫瘍細胞で作られた特定の物質(CA19-9がん胎児性抗原[CEA]など)の量を測定する検査法。特定の物質の血中濃度が上昇している場合には、その物質と関連性のある特定の種類のがんの存在が疑われます。このような物質は腫瘍マーカーと呼ばれます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。スパイラルCTスキャン(ヘリカルCT スキャン)では、らせん状の軌道に沿って動きながら体の内部を調べていくX線機器により、非常に精細な体内領域の連続画像が作成されます。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性 腫瘍細胞を検出するための検査法。まず少量の放射性 ブドウ糖を溶かした液体を静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。PETスキャンとCTスキャンは同時に行われることがあります。この実施方法はPET-CTと呼ばれています。

  • 腹部超音波検査 :腹部内の画像を撮影するために実施される超音波検査。超音波振動子を腹部の皮膚に押し当て、腹部内に高エネルギーの音波(超音波)を放出します。この音波は内部の組織や臓器に反響し、エコーを作り出します。超音波振動子はそのエコーを受信してコンピュータに送信し、そのコンピュータでエコーを基にソノグラムと呼ばれる画像が作成されます。この画像は後で見られるように印刷することもできます。

  • 内視鏡超音波検査(EUS)内視鏡を通常は口または直腸から体内に挿入して行われる検査法。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。内視鏡の末端部にはプローブが付いていて、これを用いて高エネルギーの音波(超音波)を体内の組織や臓器に反響させ、エコーを作り出します。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この検査法は内視鏡下超音波検査とも呼ばれます。

  • 内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)胆汁が肝臓から胆嚢へ流れる際に通ると、胆嚢から小腸へ流れる際に通る管をX線撮影する検査法。膵がんでは、ときにこれらの管が狭くなることによって胆汁の流れが遮られ、その結果として黄疸が発生することがあります。まず内視鏡(ライトの付いた細い管)を口から挿入し、食道と胃を経由させて小腸の最初の部分まで到達させます。次に内視鏡の中にカテーテル(内視鏡より細い管)を通して膵管まで到達させます。その後このカテーテルを通して膵管内に造影剤を注入し、X線撮影を行います。膵管が腫瘍によって塞がれている場合には、細い管を挿入して開通させることもあります。この細い管(ステント)は、その開通を維持しておくために留置される場合もあります。さらに組織のサンプルを採取することもあります。

  • 経皮経肝胆道造影(PTC):肝臓と胆管をX線撮影する検査法。まず肋骨の下の皮膚から肝臓内へ細い針を挿入します。その後、肝臓または胆管内に造影剤を注入し、X線撮影を行います。ここで塞がっている部分が発見された場合には、胆汁を体外の収集バッグか小腸内まで排出させるために、ステントと呼ばれる柔軟性に富んだ細い管を肝臓内に留置することがあります。この検査はERCPが行えない場合にのみ実施されます。

  • 腹腔鏡検査 :腹腔内の臓器を観察して疾患の徴候がないかを調べる外科的な検査法。まず腹壁の数ヵ所を小さく切開し、その切開口の1つから腹腔鏡(ライトの付いた細い管)を挿入します。腹腔鏡の末端部に超音波プローブが付いている場合は、この装置から高エネルギーの音波を発して膵臓などの体内の臓器に反響させることができます。こうして行う検査は、超音波腹腔鏡検査と呼ばれます。さらに別の器具を同じ切開口か別の切開口から挿入し、膵臓の組織サンプルや腹部の体液のサンプルを取得して、がんの有無を調べる検査に用いる場合もあります。

  • 生検:細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。膵がんの場合、生検にはいくつかの方法があります。X線検査または超音波検査の際に、細針(穿刺吸引生検)またはコア針(コア針生検)を膵臓に挿入して細胞を採取する場合があります。腹腔鏡検査の際に組織を切除する場合もあります。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • 腫瘍が手術により切除できるかどうか。

  • がんの病期(腫瘍の大きさ、膵臓外の隣接組織やリンパ節へのがんの拡がりの有無、体の他の部位への転移の有無)。

  • 患者さんの健康状態。

  • 新たに診断されたがんか、再発した(再び現れた)がんか。

膵がんでは、腫瘍が拡がる前に、手術によって完全に切除できる段階で発見されない限り、病状を抑えることができません。がんがすでに拡がっていた場合には、緩和治療を行ってこの疾患による症状と合併症を抑えることにより、患者さんの生活の質を改善することができます。

 | 

膵がんの病期

膵がんでは、病期分類のための検査や手技を診断時に行うのが通常です。

がん膵臓内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。膵がんでは、診断の際に用いられた検査結果の一部が病期分類の際にも用いられることがしばしばあります。詳細については、一般的な情報のセクションを参照してください。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、膵がんが肝臓に転移した場合、肝臓にできたがん細胞は、実際は膵がんの細胞です。この疾患は転移性膵がんであり、肝がんではありません。

膵がんでは以下のような病期が用いられます:
0期(上皮内がん)

0期では、膵臓内部の表面を覆う組織に異常な 細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれます。



腫瘍の大きさを日常の身近な物と比べた図:様々な腫瘍の大きさと豆、ピーナッツ、クルミ、ライムとを比較している。



豆、ピーナッツ、クルミ、ライムによって腫瘍の大きさを示しています。



I期


I期膵がん:左図は、2cm未満のIA期の膵がんを示している。右図は、2cmを超えるIB期の膵がんを示している。拡大図は、2cmの腫瘍がピーナッツ程度の大きさであることを示している。十二指腸も示されている。



I期膵がん。IA期では、腫瘍の大きさは2cm以下です。IB期では、腫瘍の大きさは2cmを超えています。



I期では、がんが形成され、それが膵臓のみに認められます。I期は、腫瘍の大きさに応じて、さらにIA期とIB期に分けられます。


II期

II期では、がんが膵臓付近の組織臓器に拡がっていることがあり、また、膵臓付近のリンパ節に転移していることもあります。II期は、がんが拡がっている範囲に応じて、さらにIIA期とIIB期に分けられます。


  • IIA期:がんが膵臓付近の組織および臓器に拡がっているが、付近のリンパ節への転移はみられない。

    IIA期膵がん:図は膵臓と十二指腸のがんを示している。胆管と膵管も示されている。
    
    


    IIA期膵がん。がんは原発巣周辺の組織や臓器に拡がっているものの、周辺のリンパ節には拡がっていません。




  • IIB期:がんが膵臓付近のリンパ節に転移していて、さらに、付近の組織臓器に拡がっていることもある。

    IIB期膵がん:図は膵臓と周辺リンパ節のがんを示している。胆管、膵管、十二指腸も示されている。
    
    


    IIB期膵がん。がんは原発巣周辺のリンパ節に拡がっており、周辺の組織や臓器にも拡がっていることがあります。




III期


III期膵がん:図は膵臓と総肝動脈、門脈のがんを示している。腹腔動脈、胆管、膵管、十二指腸、上腸間膜動脈も示されている。



III期膵がん。がんは膵臓付近の主要な血管に拡がっています。上腸間膜動脈、腹腔動脈、総肝動脈、門脈などの血管が該当します。周辺リンパ節への転移がみられる場合もあります。



III期では、がん膵臓付近の大きな血管に拡がっていて、さらに、付近のリンパ節に転移していることもあります。

IV期


IV期膵がん:図は、肺、肝臓、腹膜腔など、膵がんが転移しうる体の他の部位を示している。拡大図は、がん細胞が膵臓から血液やリンパ系を介して身体の他の部位に移動し、転移がんを形成する様子を示している。



IV期膵がん。がんの大きさはさまざまであり、肺や肝臓、腹膜腔(腸、胃、肝臓を収納する腹部内の空間)などの他の部位に転移しています。がんは膵臓付近の組織や臓器、またはリンパ節にも拡がっています。



IV期では、その大きさに関係なく、がん肝臓腹腔などの遠く離れた臓器に転移しています。さらに膵臓付近の臓器や組織にがんが拡がっていたり、リンパ節にがんの転移がみられたりすることもあります。

 | 

再発膵がん

再発 膵がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、膵臓内に起こることもあれば、体の他の部位に起こることもあります。

 | 

治療選択肢の概要

膵がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

膵がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の5種類が用いられています:
手術

以下の手術法のいずれかによって腫瘍の摘出が行われます:


がんが拡がっていて切除できない場合は、以下のような緩和手術によって症状の軽減と生活の質の改善を図ることがあります:


  • 胆道バイパス術:がんにより小腸が塞がっていて胆汁が胆嚢内に溜まっている場合には、胆道バイパス術が実施されることがある。この手術では、胆嚢または胆管を切断してこれを小腸に縫合し、塞がっている部分を迂回する新たな経路を造ります。

  • 内視鏡ステント留置術:腫瘍によって胆管が塞がっている場合には、溜まった胆汁を排出するために、内視鏡を用いて胆管内にステント(細い管)を留置することがある。胆汁を体外に排出するために留置したカテーテルからステントを留置する場合と、塞がっている部分を迂回するようにステントを留置して胆汁を小腸内に排出させる場合があります。

  • バイパス術:腫瘍によって胃の消化物の排出が遮られている場合は、通常食の摂取を可能にするために、胃と小腸を直接縫合することがある。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:


  • 外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。

  • 内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。膵がんの治療には外照射療法が用いられます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、もしくは腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

詳しい情報については、膵がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

化学放射線療法

化学放射線 療法は、化学療法と放射線療法を組み合わせて双方の効果を高める治療法です。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。 チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)は、腫瘍の増殖に必要となる指令を妨害する標的療法薬の一種です。エルロチニブは膵がんの治療に用いられるTKIです。

詳しい情報については、膵がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

膵がんによって生じる痛みにはいくつかの治療法があります。

腫瘍によって膵臓付近の神経や他の臓器が圧迫されると、痛みが生じてきます。鎮痛による治療では不十分な場合には、腹部の神経に働きかけて痛みを緩和する治療法が用いられます。圧迫されている神経の周辺に薬剤を注入する方法や、そのような神経を切断して痛みの感覚を遮断する方法などがあります。放射線療法の単独実施や化学療法と放射線療法の併用でも、腫瘍を小さくすることによって痛みを緩和できる可能性があります。詳細については、PDQ疼痛に関する要約をご覧ください。

膵がんの患者さんには栄養面に特別な注意が必要です。

手術で膵臓を切除すると、食物の消化を助ける膵酵素の生産に悪影響を及ぼすことがあります。その結果として、食物の消化や栄養素の吸収に問題が生じてくることがあります。このため栄養失調の予防を目的として、膵酵素の代わりとなる薬が処方される場合があります。詳細については、PDQのがん医療における栄養に関する要約をご覧ください。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

生物学的療法

生物学的療法は、患者さんの免疫系を利用してがんを撃退する治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物療法や免疫療法とも呼ばれます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

 | 

病期ごとの治療選択肢

I期およびII期の膵がん

I期膵がんおよびII期膵がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、I期膵がんおよびII期膵がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

III期の膵がん

III期の膵がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、III期膵がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IV期の膵がん

IV期の膵がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、IV期膵がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

 | 

再発膵がんの治療選択肢

再発 膵がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、再発膵がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

 | 

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、膵がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Pancreatic Cancer Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/pancreatic/patient/pancreatic-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389396]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

 |