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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

口唇がんおよび口腔がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-05-06
    翻訳更新日 : 2017-02-17

 このPDQがん情報要約では、口唇がんおよび口腔がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

口唇がんと口腔がんについての一般的な情報

口唇がんと口腔がんは、口唇や口腔に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

口腔は以下の部分から構成されています:


  • 舌の前方3分の2の部分。

  • 歯肉(歯ぐき)。

  • 頬粘膜(頬の内側を覆っている組織)。

  • 舌の下方の口腔底部。

  • 硬口蓋(口腔の天井部分)。

  • 臼後三角親知らずの後方の小さな領域)。



口腔の解剖図:図は口唇、硬口蓋、軟口蓋、臼後三角、舌の前側3分の2、歯肉、頬粘膜、口腔底を示している。歯、口蓋垂、扁桃も示している。



口腔の解剖図。口腔には、口唇、硬口蓋(口の天井前方の骨のある部分)、軟口蓋(口の天井後方の筋肉部分)、臼後三角(智歯(親知らず)後方の領域)、舌の前方3分の2、歯肉(歯ぐき)、頬粘膜(頬と口唇の内側を覆う組織)、舌の下側にある口の底部が含まれます。



口唇がんと口腔がんの大半は、扁平上皮細胞(唇と口腔の表面を覆っている薄く扁平な形をした細胞)から発生したものです。このようながんは扁平上皮がんと呼ばれます。がん細胞は、腫瘍が成長するにつれてより深部の組織へと拡がっていきます。扁平上皮がんは、白板症(擦っても除去できない白色で斑状の細胞塊)病変から発生してくるのが通常です。

口唇がんと口腔がんは頭頸部がんの一種です。

口唇がんと口腔がんのリスクを高める要因に喫煙と飲酒があります。

疾患が発生する危険性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。口唇がんと口腔がんのリスク因子には以下のものがあります:


  • タバコ製品の使用(喫煙など)。

  • 過度のアルコール摂取(飲酒)。

  • 自然の日光や人工の太陽光(日焼けマシーンの光など)に長時間曝されること。

  • 男性であること。

口唇がんや口腔がんの徴候には、口唇または口腔内のただれやしこりなどがあります。

こうした徴候症状は口唇がんまたは口腔がんが原因で起こることもあれば、他の病態が原因で起こることもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:


  • 口唇上または口腔内の治らないただれ。

  • 口唇、歯肉、口腔内のしこりや腫れ。

  • 歯肉、舌、口腔粘膜などにできた白色または赤色の斑点。

  • 口唇または口腔からの出血、あるいは痛みやしびれ。

  • 声の変化。

  • 歯のぐらつきや義歯の不適合。

  • 噛む、飲み込む、舌や顎を動かすなどの動作の異常。

  • 下顎の腫れ。

  • 咽頭のヒリヒリする痛み、のどに何かが引っ掛かっているような感覚。

口唇がんや口腔がんでは、症状が全く現れない場合もありますが、ときに通常の歯科検診の際に発見される場合もあります。

口唇がんや口腔がんの発見、診断および病期分類には、口腔と咽頭を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 口唇および口腔の身体診察 :口唇と口腔をよく調べて異常な部分がないか確かめる診察。医師または歯科医師が手袋をはめた手の指で口腔内部を全体にわたって触診し、さらに長い柄の付いた小さな鏡とライトを用いて口腔内を調べていきます。ここでは、頬と唇の内側;歯肉;口腔の底部と天井部分;舌の上面、下面、側面が調べられます。さらにリンパ節の腫れを調べるために、頸部の触診も行います。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴(歯科治療も含む)なども調べます。

  • 内視鏡検査 :体内の臓器や組織を観察して異常な部分がないかを調べる検査法。皮膚上の切開部か口などの体の開口部から内視鏡を挿入します。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によって疾患の徴候がないか調べられます。

  • 生検 :細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で調べられます。白板症の病変が存在する場合には、その病変部から採取した細胞についても顕微鏡での観察が行われ、がんの徴候がないか調べられます。

  • 剥離細胞診 :口唇または口腔から細胞を採取して行う検査法。まず脱脂綿、ブラシ、木べらなどを用いて、口唇、舌、口腔、咽頭などから細胞を優しくこすり取ります。そして採取された細胞を顕微鏡で観察して、異常がないかを調べます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

    頭頸部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン):図のように患者は台の上に横たわり、この台がCTスキャナ内を水平に移動するうちに頭頸部のX線写真が撮影される。
    
    


    頭頸部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン)。患者さんは台の上に横たわり、この台がCTスキャナ内を水平に移動するうちに頭頸部のX線写真が撮影されます。




  • 食道造影 食道の一連のX線撮影。まずバリウム(銀白色の金属 化合物)を溶かした液体を患者さんに飲み込んでもらいます。この液体が食道壁を覆ったところでX線撮影を行います。この検査法は上部消化管撮影とも呼ばれます。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性腫瘍細胞を検出するための検査法。まず少量の放射性を含有するブドウ糖を溶かした液体を静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • 骨スキャン :骨の内部に活発に分裂している細胞(がん細胞など)が存在していないかを調べる検査法。まずごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質には骨に集まっていく性質があるため、これをスキャナを用いて検出します。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期

  • 口唇または口腔内での腫瘍の位置。

  • 血管へのがんの拡がりの有無。

喫煙習慣のある患者さんの場合、放射線療法の開始までに喫煙をやめれば、回復の見込みが高くなります。

治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期。

  • 腫瘍の大きさと口唇または口腔内での位置。

  • 患者さんの外見と会話や食事をする能力を維持できるかどうか。

  • 患者さんの年齢と健康状態。

口唇がんや口腔がんの患者さんでは、頭部や頸部に二次がんが発生するリスクが高くなります。そのためフォローアップのための入念な診察を頻繁に行っていくことが重要です。この二次的な頭頸部がんの発生リスクを低下させることを目的としたレチノイドというの使用法が、現在臨床試験で研究されています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

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口唇がんと口腔がんの病期

口唇がんや口腔がんの診断がついた後には、がん細胞の口唇および口腔内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がんの口唇および口腔内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。口唇がんと口腔がんでは、診断の際に実施された検査の結果が病期分類の際にも用いられます。(一般的な情報のセクションをご覧ください。)

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、口唇がんがに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は口唇がんの細胞です。この疾患は転移性口唇がんであり、肺がんではありません。

口唇がんと口腔がんでは、以下のような病期が用いられます:
0期(上皮内がん)

0期では、口唇および口腔の表面を覆っている層に異常な 細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれます。



腫瘍の大きさを日常の身近な物と比べた図:様々な腫瘍の大きさと豆、ピーナッツ、クルミ、ライムとを比較している。



豆、ピーナッツ、クルミ、ライムによって腫瘍の大きさを示しています。



I期

I期では、すでにがんが形成されており、腫瘍の大きさは2cm以下です。さらに、がんはリンパ節には転移していません。

II期

II期では、腫瘍の大きさが2cmを超えていますが4cm以下で、がんリンパ節には転移していません。

III期

III期では、腫瘍について以下の条件が満たされます:


  • 腫瘍の大きさは様々で、腫瘍と同じ側の頸部にある1ヵ所のリンパ節に転移しており、そのリンパ節の大きさが3cm以下である;または、

  • 腫瘍の大きさが4cmを超えている。

IV期

IV期は、IVA期、IVB期、IVC期に分けられます。


  • IVA期では、腫瘍について以下の条件が満たされます:
    • 口唇または口腔内の組織を超えて、隣接する(顎、舌、口腔底、上顎洞、顎先または鼻の皮膚などの)組織や骨に拡がっており;さらに、がんが腫瘍と同じ側の頸部にある1ヵ所のリンパ節に転移しており、そのリンパ節の大きさが3cm以下である;または、

    • 腫瘍の大きさは様々であるか、または口唇ないし口腔内の組織を越えて隣接する(顎、舌、口腔底、上顎洞、顎先または鼻の皮膚などの)組織や骨に拡がっており、さらにがんが以下の領域に拡がっている:
      • 腫瘍と同じ側の頸部にある1ヵ所のリンパ節(大きさは3cmを超えるが6cm以下);または、

      • 腫瘍と同じ側の頸部にある複数のリンパ節(大きさは全て6cm以下);または、

      • 腫瘍と反対側の頸部にある複数のリンパ節(大きさは全て6cm以下)。



  • IVB期では、腫瘍について以下の条件が満たされます:
    • 腫瘍の大きさは様々で、1ヵ所以上のリンパ節に転移していて、そのリンパ節の大きさが6cmを超えているものがある;または、

    • 口腔内の筋肉または骨の中まで拡がっているか、または頭蓋底や頸動脈に達している。さらに、頸部のいずれかの1ヵ所以上のリンパ節にがんが転移している場合もある。


  • IVC期では、腫瘍が口唇または口腔を超えて、などの体の他の部位に転移しています。腫瘍の大きさは様々で、複数のリンパ節に転移している場合もあります。

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再発口唇がんと再発口腔がん

再発口唇がんや再発口腔がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、口唇や口腔に生じることもあれば、体の他の部位に発生することもあります。

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治療選択肢の概要

口唇がんや口腔がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

口唇がんや口腔がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

口唇がんや口腔がんの治療では、頭頸部がんの治療に精通した医師で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は腫瘍内科医(がんの治療を専門とする医師)が指揮します。口唇や口腔は呼吸、飲食、発声といった動作に重要な器官であることから、患者さんがこのがんの副作用やがん治療の副作用に適応していくために、特別な支援が必要となってくる場合もあります。腫瘍内科医は、頭頸部がんの治療について特別な訓練を受けた他の医療専門家に患者さんを紹介することもあります。具体的には以下のものがあります:


標準治療として以下の2種類が用いられています:
手術

口唇がんと口腔がんでは、全ての病期を通じて手術(外科的な手法でがんを取り除く治療法)が一般的な治療法です。手術法としては、以下のものが考えられます:


  • 広範囲局所切除術:がん全体と周囲の正常組織の一部を切除する手術法。がんが骨まで拡がっている場合には、そうした骨組織の切除も行われることがあります。

  • 頸部郭清術:頸部リンパ節と頸部のその他の組織を切除する手術法。この手術は、がんが口唇や口腔の外部に拡がっている場合に行われます。

  • 形成手術:体の一部の再建やその外観の改善を行う手術。大きな腫瘍を切除した場合には、口腔の一部や咽頭、頸部などを修復するために、歯科インプラント術や皮膚移植などの形成手術が必要になることがあります。

たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞を死滅させる治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。



頭頸部の体外照射療法:図は、高エネルギー放射線をがんに照射する装置の下で、台に患者が横たわっているところを示している。拡大図は、施術中に患者の頭頸部が動かないように固定するメッシュマスクを示している。マスクには小さい印が記された複数の白いテープが付いている。この印は、毎回の施術前に放射線装置を同じ位置に合わせるためのもの。



頭頸部の体外照射療法。高エネルギー放射線をがんに照射する装置を使用します。この装置は患者の周囲を回転し、様々な角度から放射線を照射することで、病巣の形状に精細に沿った照射を行います。メッシュマスクを使用して、施術中に患者の頭頸部が動かないように固定します。マスク上に小さい印が付けられています。この印は、毎回の施術前に放射線装置を同じ位置に合わせるためのものです。



喫煙習慣のある患者さんでは、治療開始前までに喫煙をやめることができれば放射線療法の効果が大きくなります。また、放射線療法の開始までに歯科検査を受けて、すでにある歯科的問題を治療しておくことが重要です。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

多分割放射線療法

多分割放射線療法は、全照射線量を少量ずつに分割し、1日1回よりも短い間隔で照射を行う放射線治療です。

温熱療法

温熱療法とは、体の組織を正常体温を超える温度まで加熱することによって、がん細胞を殺傷したり、放射線や特定の抗がん剤に対するがん細胞の反応性を高めたりする治療法です。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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病期ごとの治療選択肢

I期の口唇がんと口腔がん

I期の口唇がんと口腔がんの治療法は、口唇および口腔内でのがんの位置に応じて異なります。

口唇

がんが口唇にある場合は、以下の治療法が考えられます:


舌の前部

がんが舌の前部にある場合は、以下の治療法が考えられます:


頬粘膜

がん頬粘膜(頬の裏側を覆っている組織層)内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


口腔底

がんが口腔底(口腔の底の部分)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


下顎の歯肉

がんが下顎の歯肉内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


臼後三角

がん臼後三角親知らずの後方にある小さな領域)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


上顎の歯肉または硬口蓋

がんが上顎の歯肉内か硬口蓋(口腔の天井の部分)にある場合の治療法は、場合によっては放射線療法を伴う手術広範囲局所切除術)となるのが通常です。

NCI支援のがん臨床試験リストから、I期口唇がんおよび口腔がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

II期の口唇がんと口腔がん

II期の口唇がんと口腔がんの治療法は、口唇および口腔内でのがんの位置に応じて異なります。

口唇

がんが口唇にある場合は、以下の治療法が考えられます:


舌の前部

がんが舌の前部にある場合は、以下の治療法が考えられます:


頬粘膜

がん頬粘膜(頬の裏側を覆っている組織層)内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


口腔底

がんが口腔底(口腔の底の部分)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


下顎の歯肉

がんが下顎の歯肉内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


臼後三角

がん臼後三角親知らずの後方にある小さな領域)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


上顎の歯肉または硬口蓋

がんが上顎の歯肉硬口蓋(口腔の天井の部分)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


NCI支援のがん臨床試験リストから、II期口唇がんおよび口腔がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

III期の口唇がんと口腔がん

III期の口唇がんと口腔がんの治療法は、口唇および口腔内でのがんの位置に応じて異なります。

口唇

がんが口唇にある場合は、以下の治療法が考えられます:


舌の前部

がんが舌の前部にある場合は、以下の治療法が考えられます:


頬粘膜

がん頬粘膜(頬の裏側を覆っている組織層)内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


口腔底

がんが口腔底(口腔の底の部分)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


下顎の歯肉

がんが下顎の歯肉内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


臼後三角

がん臼後三角親知らずの後方にある小さな領域)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


上顎の歯肉

がんが上顎の歯肉内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


硬口蓋

がん硬口蓋(口腔の天井の部分)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


リンパ節

リンパ節に転移したがんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、III期口唇がんおよび口腔がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IV期の口唇がんと口腔がん

IV期の口唇がんと口腔がんの治療法は、口唇および口腔内でのがんの位置に応じて異なります。

口唇

がんが口唇にある場合は、以下の治療法が考えられます:


舌の前部

がんが舌の前部にある場合は、以下の治療法が考えられます:


頬粘膜

がん頬粘膜(頬の裏側を覆っている組織層)内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


口腔底

がんが口腔底(口腔の底の部分)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


下顎の歯肉

がんが下顎の歯肉内にある場合は、以下の治療法が考えられます:


臼後三角

がん臼後三角親知らずの後方にある小さな領域)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


上顎の歯肉または硬口蓋

がんが上顎の歯肉内か硬口蓋(口腔の天井の部分)にある場合は、以下の治療法が考えられます:


リンパ節

リンパ節に転移したがんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、IV期口唇がんおよび口腔がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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再発口唇がんと再発口腔がんの治療選択肢

再発口唇がんと再発口腔がんの治療法には以下のようなものがあります:


  • 以前の治療法が放射線療法であった場合には、手術

  • 以前の治療法が手術であった場合には、手術と放射線療法のいずれかまたは両方。

  • 場合によっては放射線療法を伴う化学療法を行う臨床試験への参加。

  • 温熱療法の臨床試験への参加。

NCI支援のがん臨床試験リストから、再発口唇がんや再発口腔がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、口唇がんおよび口腔がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Lip and Oral Cavity Cancer Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/head-and-neck/patient/lip-mouth-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389326]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

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Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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