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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

小児唾液腺腫瘍の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-01-10
    翻訳更新日 : 2019-03-11

 このPDQがん情報要約では、小児唾液腺腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

小児唾液腺腫瘍についての一般的な情報

唾液腺がんは唾液腺の組織に悪性(がん)細胞が発生するまれな疾患です。

唾液腺唾液を作り、口内に放出しています。唾液には食物の消化を助ける酵素と、口や感染から保護する抗体が含まれています。

主に次の3組の唾液腺があります:


  • 耳下腺:左右の耳の前下方に位置する最も大きな唾液腺。ほとんどの唾液腺腫瘍は、この腺で発生します。

  • 舌下腺:口腔底部の舌の下方に位置する唾液腺。

  • 顎下腺:顎骨の下方に位置する唾液腺。



唾液腺の解剖図:頭部の断面図に、3組の主な唾液腺が示されている。耳下腺は両耳前方のすぐ下に位置する;舌下腺は口腔底部の舌の下方に位置する;顎下腺は顎骨両側の下方に位置する。舌とリンパ節も示されている。



唾液腺の解剖図。3組の主な唾液腺は、それぞれ耳下腺、舌下腺、顎下腺です。



小児の唾液腺腫瘍はほとんどが良性で(がんではなく)、他の組織に拡がりません。しかし、一部の唾液腺腫瘍は悪性(がん)です。悪性腫瘍は幼児によくみられます。通常、小児唾液腺がん予後は良好です。

唾液腺がんは頭頸部がんの一種です。

過去にがんの治療歴があると、唾液腺がんのリスクが高くなります。

病気になる可能性を増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば、必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければ、がんにならないというわけでもありません。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

小児の唾液腺がんのリスク因子には白血病に対する以下の治療歴などがあります:


唾液腺がんの徴候と症状には、耳や頬、下顎、口唇のそれぞれの付近にできたしこり、または口腔内の隆起などがあります。

これらに加え、別の徴候症状が唾液腺がんにより引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。

お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


  • 耳、下顎、口唇それぞれの付近、または口腔内のしこり(通常は痛みは伴わない)。

  • 耳から液体が流れ出てくる。

  • 物を飲み込む動作や口を大きく開ける動作が困難になる。

  • 顔面の感覚や筋肉の麻痺。

  • 治まらない顔面の痛み。

唾液腺がんの発見と診断には、口内と喉を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、頭頸部などの精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

    頭頸部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン):図のように小児は台の上に横たわり、この台がCT装置内を水平に移動するうちに頭頸部のX線写真が撮影される。
    
    


    頭頸部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン)。小児の患者さんは台の上に横たわり、この台がCTスキャナ内を水平に移動するうちに頭頸部のX線写真が撮影されます。




  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影法):体内の悪性の腫瘍細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この画像は後で見られるように印刷することもできます。

  • 生検 :細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。

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小児唾液腺がんの病期

がん唾液腺から周辺領域や体の他の部位に転移しているかどうかを調べるプロセスは、病期分類と呼ばれます。小児唾液腺がんには、標準の病期分類システムがありません。唾液腺がんの診断に用いられる検査法や手技の結果は、治療に関する決定を下すためにも利用されます。

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治療選択肢の概要

唾液腺がんの小児には様々な治療法が存在します。

その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

唾液腺がんの小児の治療では、小児がんの治療に精通した医師で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児がんの治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の小児医療専門家と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:


標準治療として以下の2種類が用いられています:
手術

腫瘍を切除する手術は、良性および悪性の小児唾液腺がんの主な治療法の1つです。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん 細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:


腫瘍が転移する可能性が高い場合は、放射線療法が行われることもあります。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

標的療法

標的療法とは、薬物やその他の物質を用いてがん細胞を攻撃する治療法の一種です。標的療法は一般に、化学療法や放射線療法に比べ、正常な細胞に及ぼす有害性が小さい療法です。

標的療法は、再発した(再び現れた)小児唾液腺がんの治療法として研究されています。

小児唾液腺がんの治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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小児唾液腺がんの治療選択肢

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断された小児唾液腺がん

新たに診断された小児の唾液腺がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

再発小児唾液腺がん

再発小児唾液腺がんの治療法には以下のようなものがあります:


  • 患者さんの腫瘍のサンプルを検査し、遺伝子に特定の変化がないかを調べる臨床試験への参加。遺伝子に生じた変化の種類によって、患者さんが受ける標的療法の種類は異なります。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児唾液腺腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Salivary Gland Tumors Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/head-and-neck/patient/child/salivary-gland-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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