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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

非中枢神経系がんの成人の認知障害(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-07-06
    翻訳更新日 : 2019-03-11

 このPDQがん情報要約では、非中枢神経系がんの成人における認知障害に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

がん生存者の認知機能の問題についての一般的な情報

認知とは、学習や理解を行う精神的なプロセスです。

認知とは、思考、経験、感覚を通じて、知識を得たり理解したりするプロセスのことです。

思考のプロセスには、以下のような活動を行う能力が含まれます。


  • 重要な情報、考え、活動に集中する。

  • 長時間にわたって特定の作業や活動に注意を払う。

  • 起こりうる問題を予測し、計画し、解決する。

  • 新しい情報をすばやく理解する。

  • 身の回りの物体がどこにあるかを感覚的に把握する。

  • 話すまたは書くことによって理解し、コミュニケーションする。

  • 新しい情報を学習し記憶する。

本要約には、中枢神経系(脳または脊髄)以外のがん患者さんと、その生存者の方に起こる、認知機能の変化について記載しています。

がん患者さんやがんの生存者には、記憶や思考の問題が発生することがあります。

記憶や思考の変化は、がん患者さんやがんの生存者には一般的で、よく起こりがちなことです。思考のプロセスが変化し、何かに集中したりものを思い出したりすることが、がんの治療を受ける前と同じようにできなくなることがあります。

患っているがんの種類によって、またはがん治療後に、記憶や思考にどのような問題が起こりうるかについて、担当医と話し合ってください。

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認知機能の問題の診断

認知機能の問題の徴候として、学習や記憶の障害などが起こる可能性があります。

がん以外の病態が認知機能の問題の原因になることもあります。以下の問題のいずれかがみられる場合は担当の医師にご相談ください:


  • 1つのことに集中できない。

  • 作業が最後まで実行できない。

  • 記憶障害。

  • 他の人が話している内容の理解が困難になる。

  • 名前やよく使う単語が思い出せない。

  • 身近なものを認識できない。

  • 指示に従うことができない。

  • お金の管理がうまくできない。例えば、料金の支払いに支障を来す、帳簿を正しくつけられないなど。

  • 行動や思考を組織化することができない。

  • 意欲がなくなる。

  • 自分を取り巻く世界の見え方が変化する。

がん治療や他の病態が認知機能の問題の原因になることもあります。

がん患者さんやがんの生存者にみられる認知機能の問題を引き起こしうる因子には、以下のようなものがあります:


  • 高齢。

  • 虚弱またはぜい弱であること。

  • 化学療法放射線療法などのがん治療または他の薬物療法と、それらの副作用

  • 閉経後であること。

  • 不安うつ病などの精神面の苦悩を抱えていること。

  • 痛み、疲労、睡眠障害などの特定の症状があること。

  • 他の疾患や病態を抱えていること。

  • アルコールや精神状態を変化させる他の物質を使用していること。

担当の医師は、患者さんが現在抱えている問題をよく理解するために検査を行います。

担当の医師は、疾患の徴候を調べる検査を行います。また医師は、認知機能の問題の原因となる因子や、患者さんの教育、仕事、日常活動についても質問します。

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認知機能の問題の治療

認知機能の問題の治療には、注意、記憶、思考を補助する活動が含まれることがあります。
認知機能のリハビリテーション

認知機能のリハビリテーションは、記憶、思考、組織化、意思決定の各スキルを向上させることを目標としています。認知機能のリハビリテーションでは以下のような活動に取り組みます。


  • 脳がどうやって機能しているかを学ぶ。

  • 新しい情報を手に入れ、新しい作業や行動を実行する方法を学ぶ。

  • カレンダーや電子的な日記などのツールを使用して、物事を組織化する力を維持する。

  • 徐々に難度があがるような活動を繰り返し行う(通常はコンピュータを使用)。

運動療法

太極拳気功ヨガなどの運動療法またはエクササイズが、思考や集中力の改善に役立つことがあります。

注意回復

注意回復のための活動を行うことで、ものごとに注意を向けたり、集中したりすることに役立つ可能性があります。こうした活動には、ウォーキング、ガーデニング、バードウォッチング、ペットの世話などがあります。

瞑想

瞑想は、認知機能の改善に役立つ場合があります。瞑想は心身鍛練の方法で、物体や語句、呼吸など、何らかの対象に注意を向けて集中します。これにより、混乱状態やストレスのかかる考えと感情を回避します。マインドフルネスをベースとしたストレス軽減法は、その時々の注意と意識のあり方に注目する瞑想の一種です。

特定の薬剤が認知機能の問題の治療薬として研究されています。

精神刺激薬赤血球造血刺激因子製剤などの数種類の薬剤が、がん患者さんとがん生存者の認知機能の問題の治療薬として研究されていますが、一貫した結果は得られていません。さらに研究が必要です。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、がん患者さんの認知障害の原因と管理に関する専門家の査読済み情報要約の最新情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Cognitive Impairment in Adults with Non−Central Nervous System Cancers.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/memory/cognitive-impairment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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